3月に入ってから春らしい陽気が訪れているころ、国会ではバチバチに大激論が繰り広げられています。その大激論とは『高市早苗大臣vs小西洋之参院議員』の大激論です。また、その大激論の中で『大臣レク』というワードが出てきます。
そこで今回は、『大臣レク』を含め、高市大臣に何の問題が起きているのかをお伝えしていきます。
大臣レクとは
まず初めに、『大臣レク』という言葉がニュースで度々出ています。この『大臣レク』の意味は下記の通り。
『大臣に詳細に物事を説明する』
大臣レクの『レク』は『レクチャー』の略であり、主に『口頭で詳しく説明すること』を意味します。
国会では大臣がいろんな質問に対して、答弁を行います。しかし、大臣とあれど専門外のことを質問されては答弁はできませんよね。そこで、大臣は事前に担当者からレクチャーを受けて、答弁の内容を準備しているんです。
これが『大臣レク』です。
大臣レクとはなにが問題?
『大臣レク』という言葉が度々ニュースで使われていますが、この言葉自体に問題はありません。なぜなら、事前に大臣がレクチャーを受けて準備することに、なんの問題もないからです。
しかしここで、大臣レクに関する問題が1つ出てきました。
その問題の事の発端は、立憲の小西洋之議員が匿名の役人から手に入れた『78ページの文書』その文書に、『すごいことが書かれてある』という話になりました。その書かれてある内容は、日本の自由主義と民主主義の根幹である『放送法』この放送法の解釈を特定の少人数の数名の権力者だけで作ってしまうことが明らかになったのです。
そして、小西議員はその文書を国会に出し、『この文書に書かれてあるものは本物か偽物か』ということを当時、総務大臣であった高市大臣に追求しているのです。
しかし、高市大臣はこの文書に対して『捏造だ』と反論し、自身の議員辞職までをかける事態になっています。このやりとりが国会で大モメとなり、大臣レクが問題のように見えるのです。
高市大臣は放送法で何をしたかわかりやすく説明
大臣レク自体に問題はありませんが、その大臣レクに関する『78ページからなる文書の内容』が問題となっています。その文書の問題の内容は『放送法をめぐる文書』です。
『放送法をめぐる文書』は下記の通り。
2014~2015年の安倍政権下において、当時の礒崎総理補佐官が『放送法の政治的公平』について新たな解釈を示すよう、総務省に働きかける様子が記録された文書
この文書は78ページあるのですが、そのうち4枚について高市大臣は『捏造されたもの』と発言しているのです。
放送法をかんたんに説明
放送法とは、NHKや民間放送事業者の運営や番組に定めた法律です。
たとえば放送法の第4条には、4つのルールがあります。
- 公安及び善良な風俗を害しないこと。
- 政治的に公平であること。
- 報道は事実を曲げないですること。
- 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
これら放送法を含め、新たな解釈を示すよう、当時安倍総理の補佐官であった礒崎が総務省に働きかけたのです。その働きかけた様子を『78ページの文書』に記録しました。
高市大臣が『捏造だ』と主張している理由
高市大臣が『捏造だ』と主張している理由は、この放送法をめぐる文書の『一部の内容』が事実と異なっているからです。
高市大臣は放送法をめぐる文書全78ページのうち、『4枚が事実として異なっている』と主張しています。たとえば、放送法の政治的公平の行政文書のなかに、『2015年2月13日に大臣レクがあった』と記載されてました。
しかし、高市大臣は『大臣レクは受けていない』と発言しており、記載内容を『捏造している』と言っているのです。また『内容が不正確であることについて確信を持っております』との発言も。
高市大臣は辞職しない考えを示す
高市大臣は議員辞職をしない考えを示しています。
私に関係する計4枚については、私自身に確認が取られていないものであり、私が発言したことのない記述がなされているなど、正しい情報ではなく、ねつ造された行政文書によって大臣や議員を辞職すべきだとは考えていない。
NHKニュース
こう述べています。
一方、松本総務大臣はこう述べています。
文書の記載内容が正確であるか、引き続き確認を進めている。ただし、平成29年の行政文書の管理に関するガイドライン改正の前に作成された文書であることから、記載内容が正確であることを前提に議論することは難しい面もある。
NHKニュース
行政文書が本当のものか。または捏造されたものなのか。それを決定づけるのは難しいですね。なんせ8年前のやりとりの記録ですから。
まとめ:【分かりやすく】大臣レクとは?高市大臣は放送法文章捏造で議員辞職か!
今回は、大臣レクや高市大臣の放送法文書捏造問題についてお伝えしました。
内容をまとめると以下の通り。
- 大臣レクとは『大臣に詳細に物事を説明することであり、国会の答弁のための事前準備』
- 放送法が定める『政治的公平』の解釈をめぐる総務省の全78ページの行政文書について、そのうち4枚が高市大臣にとって事実とは異なるものとして問題になっています。
所感としてこの論争の本質は『政治的な圧力によって放送法の解釈が歪められて、民法などの自由な放送ができなくなる』ということです。しかし、今の論争では『大臣レクがあったのか、それともなかったのか』という永遠の議論をしています。『放送法の解釈が不当に歪められたのか』それが問題であるのに今はズレた論争をしているなというのが印象です。